【結果】
日本、0-1で敗れる 親善試合のウクライナ戦
欧州遠征中のサッカー日本代表は12日、当地の五輪スタジアムでワールドカップ(W杯)出場を決めているウクライナ代表と対戦し、終了間際にPKで失点して0-1で敗れた。
【試合概要】
終了直前の悲劇 日本PKで敗れる
ドロー寸前の悲劇だった。後半ロスタイム突入直前、Aマッチ初出場の箕輪がクリアしようとして相手の肩に乗ったことでPKと判断された。これを決められての敗戦。微妙な判定のアウエーの洗礼。怒り心頭のジーコ監督は試合後、審判に詰め寄ろうとしてスタッフに止められた。ラトビア戦に続く悪夢。またも最後のホイッスルまで耐えきれなかった。
【中盤】
まさか中田浩退場で新中盤が崩壊
構想が崩壊した。後半8分にMF中田浩が相手MFシシュチェンコへのファウルで一発退場。中田英は天を仰いだ。新構築した中盤のテスト機会を、この瞬間に失った。4分後にはFW柳沢に代えてDF箕輪を投入し4バックから3バックにチェンジ、中盤も修正せざるを得なかった。
【ディフェンス】
攻撃的布陣も、ウクライナの壁厚く
日本代表が、シェフチェンコを欠いていたとはいえウクライナの攻撃を終了間際のPKだけに抑えたことは評価材料だ。ただ、後半早々の中田浩の退場という不運はあったものの、攻撃的な布陣を敷きながらシュートにつながる攻撃がほとんど見られなかったのは、逆に反省材料といえるだろう。一定以上の堅守を誇る相手を前にしても得点につながる攻撃が出来なければW杯本大会で勝つのは難しい。
【オフェンス】
FW また決定力不足を露呈
決定力不足が再び露呈した。2戦連発の高原も、好調を維持していた柳沢も音なしだった。ゴールを脅かすシーンもなかった。欧州でW杯本大会一番乗りを果たしたウクライナの屈強な守備を突破できなかった。
【審判・判定】
ジーコ監督猛抗議「恥を知れ」
試合終了直前のまさかの敗戦にジーコ監督が大爆発した。センターサークル付近の審判団のもとへ猛然と駆け寄り、激高した様子で抗議を始めた。田嶋技術委員長らスタッフの制止の声も聞かず、判定に納得いかない指揮官は延々と不満をブチまけた。
(Excite エキサイト : スポーツニュース)より
不可解な判定があったにせよ、相手は、ジーコをして「彼がいるのといないのとではチーム構成がまったく変わる」と言わしめる、04年のバロンドール、エース「シェフチェンコ」を欠く、基本的に「2軍メンバー」のウクライナ。結果を出しておきたい試合だったろう。
なにせ本番のW杯でも、このようなことはありうるのだ。日韓W杯での、イタリアの敗戦を思い出して欲しい。あれに比べれば、今日の判定は、あきらかに日本に厳しくはあったけど、絶対に納得できないと言うものではなかったように思う。
それだけに、逆に、本番を見据えてのいいシミュレーションになっていたのではなかろうか。
しかし、よく「本番」・・・と言う声を聞くが、今回の試合を見てて、どうなんだろ?と思ってしまった。W杯では結果こそが全て、なのか。それまでの途中途中の試合は、内容がすべて、なんだろうか。仮にW杯とか関係なく、試合内容が最悪にもかかわらず、ずーっと勝ち続けていた(しかも、1-0とかガチガチに守りきってたら、不可解な判定によるPKで勝ちを拾った・・・みたいな)ら、マスコミはどんな風に書き立てることだろう?また、仮にW杯までの親善試合では、選手の選抜やら戦術の確認に終始して、結果が伴わない状況が続いたらどうだろう?
確かにW杯は「本番」で、結果を求められている。でも、それまでの試合も「観客」として見る以上、面白い内容が求められるのではないだろうか。もちろん、その「面白い」は見る人によって様々だ。
前置きが長くなったけど、そういう意味では、今回の試合。結果的に負けたとは言え、個人的には「面白い」試合だった。ラトビア戦の前半、2-0で勝っている時よりも、だ。息詰まる熱戦と言うか、緊迫したゲーム。相手も必至で勝ちに来ている・・・。
とは言え、ウクライナの視点で見れば、決定的なチャンスを何度も逃しているし、ストレスのたまる試合だったろう。PKで勝ったとは言え、内容に満足のいくものではあるまい。・・・が、ウクライナとしては別にそれでもいいのだろう。なにせ、シェフチェンコさえいれば、結果はまったく違ったものになる可能性があるのだから。
やはり、最後の最後にものを言うのは「フォワードの決定力」と言うことだ。・・・といったところで、個人の評を(^^;
なんと言っても今日の試合はヒデにつきるだろう。ラトビア戦では「凄みが無かった」などと思ったものだが、個人的に反省点を解消したのだろうか、今回は凄まじかった。守備でも攻撃でも、ある意味彼一人が目立っていた。特に目に付いたのが、後半、人数が少なくなってからの献身的な守備でボール奪取したあと、味方が攻めあがるまでボールをキープし、3人くらいに囲まれながら前を向いてパスを出したところ・・・いやぁ、しびれたね。ナカタって、結構バックパスが多いイメージがあって、おいおいなんでそこで、、、とか思ってたんだけど、やっぱり状況に応じて使い分けてるんだねぇ。あんなにキープ力があるとは。あれで、シュートに精度があれば、世界でもトップレベルの選手なんだが。。。惜しいのが2回あったしね。
逆に今回は俊輔は目立たなかった印象がある。前半こそピンポイントのパスをバンバン出してたけど、あきらかに途中からスタミナ切れ。最後まで走ってたナカタとは対照的だった。とは言え、日本の攻撃力は、正直「俊輔のコンディション次第」ってとこあるから、怪我をしっかりなおして(怪我してたんだよね?)キレのある動きを見せて欲しい。
で、ダメなのがFW。高原はミドルは良かったけど、柳沢はどうしちゃったんだろ?大黒が出てきた時の危機感が薄れちゃったのか、決定的な場面でのパス・・・あれに何度萎えたことか。後退してどうする!
ジーコの交代は、この試合は的確だったように思う。パフォーマンスの悪いサントスに替えて村井。流れの中で点が取れない以上、ファールを期待しての鈴木投入。疲れた俊輔に替わって松井。松井を途中交代枠ってのも面白い。トップ下としては小笠原より期待が持てる気がする。人数が少なくなってからの「カウンターサッカー」の方が、なんとなく得点を期待できたねぇ。まぁ、大久保の投入時期はいくらなんでも遅すぎたが・・・あれでは相手にいい時間稼ぎをさせてやってるようなもんだし。少なくともPKで点を取られた直後に速攻投入すべきだったと思う。
えーっと、それから・・・サントス。もうやめて(;´д⊂
局面だけを見ればいいところもあるけど、とにかく不安定。プレーにムラがありすぎ。期待度よりもリスクの方が多い。ナカタに止められてなかったら、退場もあったんじゃないかな。
他には、、、戦犯扱いの「なかたこ」だけど、彼のようなユーティリティプレーヤーは、戦術オプションが多彩に使えて悪くないのではなかろうか。まぁ、国内組にもっといいボランチはいるだろうけど。
ラトビア戦で完全復活を遂げたと言っても過言ではないイナは、今回はバテ気味だったかなぁ。スタミナさえ克服すれば絶対にいい選手なんだけど。ゴールの匂いもするし。
ディフェンスに関しては全体への苦言になるけど、もうちょっとマークを徹底して欲しい。ヒデに言われて動いてちゃだめだ。ウクライナの選手がフリーで簡単にボールを受けてたけど、見てて、ほんとにハラハラする。最後の最後ではきっちり守備してたんでけど、中盤を支配されていたことに関しては、全体の責任だろう。
なんか長くなりすぎてしまった。
さてはて、今回の欧州遠征で、スタメンは決定したのだろうか?国内組との融合・・・最終的なチーム編成が気になるばかりだ。