そして扉が閉ざされた
岡嶋 二人 / 講談社
スコア選択: ★★★★★
核シェルターに閉じ込められた4人に突き付けられる「おまえたちが殺した」という言葉。娘を殺された母親が、真相を突き止めれば解放してくれるという…。果たして、その真実とは?
初回に続き、岡嶋二人です。「クラインの壷」とはうってかわって、今日のは本格ミステリ。しかも、本格も本格。
「フーダニット(誰が犯人か?)」としては、私の知る限り、おそらく最高傑作と言ってもいいでしょう。
外界とは隔離された状況下で繰り広げられる
「究極のフーダニット」。圧倒的な緊迫感は、ミステリとしてだけでなく、
サスペンスとしても良質。いや、しかしこの人のストーリーテリングの巧みさと言うのは素晴らしいですねぇ。
岡嶋二人は、私のもっとも敬愛する作家の一人。ただし、作品毎にテーマが違うので、「もっとこんな話を」と作家だけで本を選ぶと、違和感を覚えます。ま、それでもその
軽妙な文体はおすすめですよ。